スペイン語 再帰動詞の使い方と注意点

こんにちは。筆者のチャボンです。この記事ではスペイン語の再帰動詞について説明しています。

再帰動詞とは「主語と目的格人称代名詞が同一の人や物を表す動詞」です。(原型は ~se)

また、その代名詞は「再帰代名詞」といいます。

関連記事スペイン語2種類の目的格人称代名詞まとめ「〜に」「〜を」

いくつかの用法がありますが簡単に言うと、「自分が自分(の体)に何かをする」という時に使われる動詞です。

例えば、「levantar」という動詞は元々「起こす」という他動詞です。「自分が自分を起こす=起きる」と言いたいときは「levantarse」という再帰動詞が使われます。

スペイン語再帰動詞の作り方と活用

まず、再帰動詞の原型は「〜se」です。そこから主語によって動詞を活用させつつ、再帰代名詞を主語に合わせなくてはなりません。以下の表をご覧ください。

levantarse(起きる)の活用表

人称活用
yome levanto
te levantas
él, ella, ustedse levanta
nosotrosnos levantamos
vosotrosos levantáis
ellos, ellas, ustedesse levantan

このように再帰代名詞は三人称以外目的格人称代名詞と同じです。三人称の時は単数複数に関わらず「se」が使われるので注意しましょう。

スペイン語再帰動詞の用法

いくつかの用法があるのでそれぞれ例文とともに見ていきましょう。それぞれの名称を覚える必要はありません。

直接再帰

「直接再帰」と呼ばれるものには2つの用法が存在します。

「自分自身を」

一つ目の用法は「自分自身を」という意味を表したい時です。

Javier
Javier

¿Cómo te llamas?(君の名前はなんですか。)

María
María

Me llamo María.(私はマリアです。)

このように名前を尋ねる時に使われるこの用法は実は再帰動詞です。

これらを直訳すると、「君は君自身のことをなんと呼んでいますか。」「私は私のことをマリアと呼びます。」になります。

他動詞を自動詞に

二つ目は「他動詞を自動詞に変える時」に使われます。

「levantar」「acostar」など本来他動詞である動詞を、「levantarse」「acostarse」のように再帰にすることによって自動詞にすることができます。

例:levantar 起こす→ levantarse 起きる、acostar 寝かせる→ acostarse 寝る

他動詞とは目的語(日本語でいうと主に「〜を」を伴うもの)がないと意味が完結しない動詞です。(読む、食べるなど←「何を?」という疑問が残ります。)

一方で自動詞は目的語がなくても成り立つ動詞です。(走る、寝るなど)

Javier
Javier

¿A qué hora te levantas normalmente?(君は普段何時に起きますか?)

María
María

Me levanto a las 8.(8時に起きます。)

間接再帰

次の「間接再帰」と呼ばれる用法は、「自分自身に」を表します。体の一部や服などの目的語を伴います。

lavarse(手や体を洗う)」「afeitarse(髭を剃る)」「quitarse(服を脱ぐ)」「bañarse(シャワーを浴びる)」「ponerse(身につける)」「cortarse(髪を切る)」など自分が自分自身に行うものは全て再帰動詞が使われます

Javier
Javier

Me lavo las manos todos los días.(私は毎日手を洗います。)

María
María

Lavo el auto todos los días. (私は毎日車を洗います。)

*「lavar」も「lavarse」も日本語に直すと「洗う」です。ではどう使い分けるのか。「手」は自分自身に備わっているため「lavarse」という再帰動詞、車は自分に付いている訳ではないので「lavar」を使います。

もし他人の手を自分が洗うなら、自分に備わっていないため「lavar」が使われます。

相互再帰

続いては主語の間で「お互いに」という意味を表す時に使われる再帰動詞です。主語は必ず複数になります。

「〜し合う」という意訳もできるでしょう。

Nos llamamos todas las noches.(私たちは毎晩電話をする。)

Se quieren mucho María y Leo. (マリアとレオはとても愛し合っている。)

意味が変わる、もしくは強調される

次に再帰にすることによって強調されるものや意味が少々変わるものを紹介します。

強調

以下の単語は再帰にすることによって本来の意味がより強調されるものです。

comerse(平らげる)

Me como todo el plato.「私は全ての料理を食べ切る。」

tomarse(飲み干す)

Me tomo una botella de vino tinto.「私は赤ワインを1瓶飲み干す。」

dormirse(ぐっすり眠りこむ)

María se duerme después de su trabajo.「マリアは仕事の後ぐっすりと眠る」

morirse(死ぬほど〜)

Me muero de hambre.「私は死ぬほどお腹が空いている。」

「死ぬほど〜」は他の言い方もあります。「cagar」という動詞を用い、主にアルゼンチンで使われます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

オススメ記事アルゼンチンのスペイン語「cagar」を使いこなそう!cagarを使った熟語集

意味が変わる

次に再帰にすることによって意味が少し変わる動詞を紹介します。

irse(帰る、行ってしまう)

Ya me voy.「私はもう帰ります。」

こちらに関しては以下の記事で詳しく説明しています。

参考記事スペイン語動詞 ir と irse の違いと使い分け方

主語が不特定の文章

最後に主語が不特定の文章に使われる再帰を紹介します。これは必ず三人称単数形になります。

¿Cómo se dice “auto” en japonés?「autoは日本語でなんと言いますか?」

No se puede tomar en la calle.「この道ではアルコール類を飲むことができません。」

No se sabe mucho el anime en Japón.「そのアニメは日本ではあまり知られていない。」

まとめ

以上が再帰動詞が使われる主な場面です。再帰動詞を使わないと意味がおかしくなってしまうものも多いので注意してください。

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