スペイン語直説法線過去の活用一覧と用法〜点過去との違いと使い分け方〜

こんにちは。筆者のチャボンです。この記事ではスペイン語の直説法線過去の説明をしています。

スペイン語の過去形には点過去・現在完了・線過去の3つが存在します。これらをうまく使いこなす必要があります。(ネイティブでも点過去と線過去の違いはイマイチわからないそうですが、、、)

しかし、「ここは絶対に線過去」と決まっている場面もあるためしっかり覚えましょう。

活用一覧と用法を順に載せています。活用は大丈夫という方は目次を開いて活用のパートを飛ばしてください。

チャボン
チャボン

それでは見ていきましょう!

規則活用

線過去では他の時制の活用とは違いほとんどの動詞が規則的な活用をします。不規則は3つしかないので比較的覚えやすいでしょう。

hablar, comer, vivir で例を出します。

-ar動詞

人称活用
yohablaba
hablabas
él/ella/ustedhablaba
nosotroshablábamos
vosotroshablabais
ellos/ellas/ustedeshablaban

筆記の際は「nosotros」の活用に付くアクセントに気をつけましょう。

-er動詞

人称活用
yocomía
comías
él/ella/ustedcomía
nosotroscomíamos
vosotroscomíais
ellos/ellas/ustedescomían

-ir動詞

人称活用
yovivía
vivías
él/ella/ustedvivía
nosotrosvivíamos
vosotrosvivíais
ellos/ellas/ustedesvivían

-er動詞と-ir動詞は活用が全く同じになります。

不規則動詞

先ほども言った通り、線過去には不規則変化は3つしか存在しません。「ir, ser, ver」の3つです。

完全に不規則なのでしっかり覚えましょう。

irの活用

人称活用
yoiba
ibas
él/ella/ustediba
nosotrosíbamos
vosotrosibais
ellos/ellas/ustedesiban

筆記の際は「nosotros」の活用に付くアクセントに気をつけましょう。

serの活用

人称活用
yoera
eras
él/ella/ustedera
nosotroséramos
vosotroserais
ellos/ellas/ustedeseran

筆記の際は「nosotros」の活用に付くアクセントに気をつけましょう。

verの活用

人称活用
yoveía
veías
él/ella/ustedveía
nosotrosveíamos
vosotrosveíais
ellos/ellas/ustedesveían

「i」にアクセントをつけ忘れないようにしましょう。

線過去の活用を覚えたところで現在形と点過去を復習してみましょう。

線過去の用法

線過去には主に5つの用法があります。

線過去は相対的な時制であるため、基準となる時点が想定されることが必要です。

  1. 過去の習慣・反復的な行動を表す
  2. 過去において継続中の行為や状態を表す
  3. 丁寧さを表す
  4. 未完了の過去を表す
  5. 主節の動詞が過去形であるときの従属節

過去の習慣・反復的な行動を表す

例えば日本昔話によく出てくる、「昔々おばあさんは毎朝川へ洗濯物を洗いに行っていました。」のような文章は線過去が用いられます。

「昔よく〜していた」という状況は線過去で表されます。

2000 años antes, los japoneses cultivaban arroz.

→「2000年前日本人は米を栽培していた。」

Antes jugábamos al fútbol todos los findes.

→「私たちは以前、毎週末サッカーをしていた。」

過去において継続中の行為や状態を表す

Cuando yo era niño, vivía en España.

→「私は子供の頃スペインに住んでいた。」

¿Dónde estabas cuando empezó a llover?

→「雨が降り始めた時君はどこにいた?」

「子供の頃」「住んでいた」「〜にいた」というのは瞬間的なものではなく、継続しているものなので線過去が使われます。

一方で「雨が降り始めた」というのは一瞬の出来事であるため点過去になります。

年齢や時刻を表す際は必ず線過去を用います。

丁寧さを表す(婉曲)

¿Qué deseaba?

→「何をお求めでしょうか→いらっしゃいませ」

Quería un bolso.

→「カバンが欲しいのですが。」

丁寧さは線過去以外にも過去未来形や接続法過去形が使用されます。

未完了の過去を表す

これが一番正しい線過去の理解でしょう。「線過去」はスペイン語で「pretérito imperfecto=未完了過去」と呼ばれます。

以下の2つの文章を比べてみましょう。

  1. Tuve una cita con Leo.
  2. Tenía una cita con Leo.

これらは日本語にすると「レオとデートの約束があった」になります。しかしスペイン語では違いがあります。「線過去は相対的な時制であるため、何か背景がつきまとっている」ということを覚えましょう。

「1.」の例文は「点過去=完了過去」であるため、「デートの約束があった」そして「デートに行った」という事実が述べられます。

一方で「2.」の例文は「線過去=未完了過去」なので、「デートの約束があった」が「行っていない」可能性があります。

線過去の方はその後に出来事の説明の続きを求められるでしょう。(例えば「寝坊で行き損ねた」など)

例)Quería comprar una remera.

この例文はどのように捉えることができるでしょうか。

↓↓↓

もしかしたらまだ買えていない可能性があります。

主節の動詞が過去形であるときの従属節

まずは以下の例文をご覧ください。

María me dijo:— Voy a la escuela a las 8.

→「マリアは私に言った。8時に学校に行きます。」

María me dijo que iba a la escuela a las 8.

→「マリアは私に8時に学校に行くと言った。」

2つの文章を1つにまとめた場合主節と従属節に分けることができます。

この場合「María me dijo」が主節、「iba a la escuela a las 8.」が従属節になります。

このように最初にマリアの言った部分(8時に学校に行きます)が現在形で、2文を合わせることにより従属節になる場合は現在形が線過去に変化します。(voy→iba)

ちなみにこの場合の「iba」は主節の主語である「María」に一致しているため、三人称単数形です。

点過去との違いは?

先ほども言った通り、「完了している過去=点過去」か「未完了の過去=線過去」かの違いです。

期間が決まっている場合や確実に完了している過去は「点過去」、何か背景が存在する過去は「線過去」です。

詳しくは以下の点過去に関する記事をご覧ください。

まとめ

以上が線過去についてのまとめです。点過去との区別が難しい部分もありますが、使い分けるところはしっかり区別しましょう。

ただし、ネイティブ(アルゼンチン人、スペイン人)も「違いはあまり分からない」「どっちでも良い」と言っていたので通常の会話ではそこまで気にする必要はないかもしれません。

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