こんにちは。筆者のチャボンです。この記事では tú と vosotrosに対する肯定的な命令形を説明しています。
肯定命令形とは「〜しなさい、〜して下さい」という文型のことです。
ほとんどの動詞は規則的で新しい活用ではないのですが、8個の動詞は不規則です。
では順に見ていきましょう。
1. túに対する肯定命令〜規則形〜
まず、「tú」に対する肯定命令形の説明をします。
結論から言うと、ほとんどの動詞がtúに対する肯定命令は直説法現在三人称単数形の活用と同じです。
túに対する肯定命令形 | tú |
---|---|
-ar動詞 | habla |
-er動詞 | come |
-ir動詞 | duerme |
では例文をご覧ください。
Habla más despacio.
→もっとゆっくり話してください。
Come mucho para ser más grande.
→大きくなるためにいっぱい食べなさい。
Duerme pronto.
→早く寝なさい。
2. túに対する肯定命令〜不規則形〜
次に不規則な変化をする動詞を紹介します。不規則変化は8個存在します。(正式にはそこから派生する単語もあるため8個より多いです。)
表で見たほうが早いのでご覧ください。
不定詞(基本形) | 命令形 | 不規則な命令形 | 不定詞(基本形) | 命令形 |
---|---|---|---|---|
hacer | haz | ——— | poner | pon |
tener | ten | ——— | salir | sal |
decir | di | ——— | ser | sé |
venir | ven | ——— | ir | ve |
このように通常の直説法現在の三人称の活用とはかけ離れたものが多いです。
Ven aquí.
→ここに来なさい。
Ten cuidado.
→気をつけてね。
Sé bueno.
→いい子でいなさい。
今回紹介しているのは「tú」に対する命令形です。アルゼンチンなどで使われる2人称「vos」に対する命令形とは異なります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:<これで完璧>アルゼンチンのスペイン語 vosの使い方
3. Vosotrosに対する肯定命令
次にvosotrosに対する肯定命令形を説明します。
活用はいたって単純で、原型から「r」を取り除き、「d」を置くだけで完成です。
また、vosotrosに関しては不規則な変化が一切ありません。túに対しては不規則だったものも全て同じです。
vosotros に対する肯定命令形 | vosotros |
---|---|
-ar動詞 | hablad |
-er動詞 | comed |
-ir動詞 | dormid |
発音のコツとして、最後の「d」は発音せず、舌先を前歯の裏につけて息を止めると良いです。
では例文をご覧ください。
Haced el trabajo.
→その仕事をしてください。
Fumed afuera.
→外でタバコを吸ってください。
Salid a las 8 para llegar puntual.
→時間通りに着くために8時に出かけなさい。
命令形を作る際の注意点
ここで命令形を作る際の注意点をいくつか紹介します。アクセントが必要になる場面も出てくるので気をつけましょう。
1. 目的格人称代名詞を伴う時
まず一つ目は目的格人称代名詞を伴う時です。目的格人称代名詞とは「〜に」「〜を」を表すものです。
参考記事:スペイン語2種類の目的格人称代名詞「〜に」「〜を」
肯定命令の場合、目的格人称代名詞は動詞の直後にくっつける必要があります。
その際、元のアクセントの位置は変わらないため、スペイン語のアクセントルールに反してしまうことがあります。
そこで元のアクセントの位置にアクセント記号を打つ必要があります。
Cómelo.
→それを食べなさい。
Dime.(アクセント記号不要)
→私に言って。
Dímelo.
→私にそれを言って。
2つ目の例に関して、「Di」という命令形に「me」をつけたところで「母音で終わる単語は後ろから2番目がアクセント」というルールに沿っているため、アクセント記号が不要です。
2. 再帰動詞の時
次は再帰動詞の時です。再帰動詞とは、行動が自分に帰ってくる意味を持つ「~se」で終わる動詞のことです。
参考記事:スペイン語再帰動詞の使い方まとめ
こちらも目的格人称代名詞の時同様アクセントの場所を示すためにアクセント記号をつけなければならない時があります。
Acuérdate.
→覚えておきなさい。
Vete pronto.(アクセント記号不要)
→早く行きなさい。
Tómatelo todo.
→全て飲み干しなさい。
☆Poneos la remera.(dを抜く)
→そのシャツを着なさい。
4番目の例のように、「vosotros」に対する命令で再帰動詞の時は「d」を抜いて再帰代名詞「os」をつけます。
まとめ
以上がtúとvosotros に対する肯定命令形です。目的格人称代名詞や再帰動詞の時のアクセント記号には特に気をつけましょう。