スペイン語冠詞後編〜冠詞の応用編と無冠詞〜

こんにちは。前回の記事でスペイン語の冠詞の基礎について書きました。まだ読まれていない方は先にそちらをご覧ください。こちらの後編はその前編の基礎に基づいた応用編です。

定冠詞の応用

まず冠詞の基本的な表をご覧ください。

(単数/複数)定冠詞不定冠詞
男性名詞el/losun/unos
女性名詞la/lasuna/unas

必ずそれと特定できる名詞

身体に関する名詞や唯一それしかないものです。この時はほぼ必ず定冠詞がつきます。

Abre la boca y los ojos. 「口と目を開けて。」

La luna sale por el este. 「月は東から昇る。」

「月」や「東」は一つしか存在しません。そのためこれらの名詞は常に定冠詞です。

例外として形容詞がつき特に強調したい時は不定冠詞がつくこともあります

Tienes unos ojos muy lindos. 「君は本当に綺麗な目をしているね。」

などです。

また他には、誰かに敬称をつけるときも定冠詞をつけます。ただしその人に直接呼びかける時はつけてはいけません。

La señora Ramos está ahí. ラモスさんはそこにいます。

Hola señora Ramos. (× Hola la señora Ramos.) こんにちはラモスさん。

そのものの総称を表す名詞

この場合は複数定冠詞がつきます。ライオンを例に出すと、「el león」という特定の一頭でもなく、「un león」というある一頭という意味もなく、「ライオン」という動物自体を表したい時は「los leones」となります。つまりライオンという総称です。

El león es más fuerte que el gato.

Un león es más fuerte que un gato.

Los leones son más fuertes que los gatos.

この三つの文章は全て意味が異なります。「ライオンは猫より強い」という当たり前の概念を言いたいときは3つ目が正しいです。

ライオンは一頭、二頭と数えられるので可算名詞ですが、不可算名詞で総称を表したい時は定冠詞の単数を使います。

無冠詞

定冠詞や不定冠詞がつかないものを無冠詞と言います。無冠詞になるときを挙げていきましょう。

ser動詞に付けて職業や身分をいうとき

Soy estudiante. 「私は学生です。」

Sergio es futbolista. 「セルヒオはサッカー選手です。」

などの時です。このような時は絶対に冠詞をつけてはいけません。ただし、形容詞をつけて特別感を出すときは不定冠詞をつけます。

Leo Messi es un futbolista muy famoso. 「メッシはとても有名なサッカー選手の一人です。」

種類を表す「de」、交通手段の「en」、付属の「con」の時

これらの三つの場合は無冠詞です。

Bici de niño「子供用の自転車」

Café con leche 「カフェオレ」

Voy en taxi. 「私はタクシーで行きます。」

前置詞の後ろにある名詞には冠詞はつきません。

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como + 名詞で「〜として」を表す時

Fui a la escuela de mi hermano como protector.「弟の学校に保護者として行った。」

このような場合は無冠詞になります。

*ただし como + 名詞で「〜のように」を表す時は定冠詞や不定冠詞が必要です。

Ella es muy guapa como un gato. 「彼女は猫のように可愛らしい」

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確定していない「otro」を言うとき

Voy a venir acá otro día. 「また別の日に来ます。」

などです。その「別の日」は確定していません。「今度いつか」と言う意味を含んでいます。

一方で確定している時は定冠詞をつけます。

El otro día vine acá. 「この前ここに来た。」

感覚としては過去の何か起こった事項は定冠詞をつけ、未来のまだ決まっていない事項は無冠詞です。

中性定冠詞の「lo」

形容詞を名詞として使いたいときは中性定冠詞「lo」を使います。

Lo importante es estudiar mucho. 「大切なことはたくさん勉強することです。」

「大切な」という形容詞を「大切なこと」という名詞に変えています。

「君が頼むものは〜(lo que pides)」のようにの後ろが形容詞ではなく、動詞を付けて文章にしたい時は「lo que 〜」という形をとります。

Lo que estás haciendo no tiene sentido.「君が今していることは意味がない。」

まとめ

冠詞は日本語にはない概念なので覚えるのは大変だと思いますが、何回も繰り返して慣れることが大切です。

間違えても意味は通じるのですが、正しく使うことに越したことはないです。

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